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京阪カインドだからできたこと

2016年4月5日(火) 時には見えないところで

年の瀬も迫った12月のある日、その事件は起きました。

わたしたちが管理を任されている大型マンションで突然断水してしまったのです。原因は、マンションの受水槽と各戸につながる水道管の繋ぎ目部分が外れたため。

大急ぎでそのマンションを担当しているフロントが駆けつけたのですが、事の重大さに当社のフロント全員を招集。私たちが到着する頃には、配水管からあふれていた水は止まったものの、復旧するまでにはまだまだ時間がかかるとのこと。そろそろ夕飯の支度が始まる時間が近づいてました。このままだと400戸のご家族が困ることになってしまいます。

フロントが顔を見合わせ、「ポリタンク買いに行くか?」と走り出しました。受水槽には水が来ていたので、そこからポンプでくみ出して配給することはできる。でも、400世帯分を提供するだけでも相当な時間がかかりそうです。

「市に電話して給水車呼べないかな?」「そんなことできるの?とにかく、一回電話してみろ」。急場になると、いろいろなアイデアが出てくるものです。

それから給水車の到着を待って、各家庭から水を入れる容器を持参してもらいました。お持ちでない方には買ってきたポリタンクを貸し出して、なんとか夕飯時の混乱は収めることができたのです。

さて問題は、いつ復旧させられるかです。夜11時頃になって工事の目処がつき、夜中2時くらいには給水開始できるとのこと。

一瞬ほっとしたものの、「待てよ、水道が出ないからと蛇口をひねったままにされていると、住民の方が寝ている間にえらいことになるよ」。こういう場合、開いたままの蛇口から水があふれてしまうケースがよくあるのです。

それから悩んだ結果、復旧のタイミングはあえて朝6時に遅らせることに。朝4時の時点でテスト的に水を出して、各ご家庭の水道メーターが動いていなければ、蛇口は閉まっているということになります。何軒かメーターが動いたご家庭については、個別で供給をストップして後で確認していただくことにしました。

「いやいや~、長い一日だったね」

「今回は焦りましたねー」。

スズメの声を聞きながら学生時代の朝帰りとはちがう、清々しい気持ちで家に帰ったのでした。

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